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🐶 尾を振る=うれしい?

更新日:8月10日

犬の気持ちを見抜く力、ありますか?


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「犬が尻尾を振っているから、喜んでいるんだね!」

――そんなふうに思ったこと、ありませんか?

実はそれ、必ずしも正解ではありません


ある研究では、犬とよく接している「経験者」も、犬にあまり触れてこなかった「非経験者」も、犬の行動の正確な理解には苦労していることがわかりました。


2009年に発表された研究(Tami & Gallagher)は、「犬と多く関わってきた人」と「そうでない人」が、犬の感情をどのように読み取っているかを比較しました。結果は意外なものでした。


📖 研究のポイント

2009年に発表された研究(Tami & Gallagher)は、9つの犬の行動シーンをビデオで見せ、参加者に「この犬はどんな気持ち?」と答えてもらいました。

その結果――

  • 経験者も「必ずしも」正しく判断できるとは限らない

  • 非経験者は「尻尾を振っていれば友好的」と誤解しがち

  • 「耳の向き」「体の姿勢」「目線」など複数の要素を見る必要がある


📖 経験より大切なのは「キュー」を理解しているかどうか

犬に慣れている人でも、犬の感情や意図を正確に読み取れるとは限らない――この研究はそんな事実を明らかにしました。

それは、犬の「行動キュー(しぐさや姿勢などのサイン)」を正しく理解しているかどうかが、大きく影響していることが示されたからです。


犬のボディランゲージはとても繊細です。たとえば…

  • 耳が後ろに倒れている → 怖がっているかも

  • 体が固まっている → 緊張している可能性大

  • 視線をそらす → 対立を避けたいサイン

  • 尾を振っていても体が前傾している → 実は威嚇の直前かも…

ひとつの動作だけで判断せず、複数のサインを組み合わせて見てあげることが大切です。


おまけ

この研究で犬の行動を判断する手がかりとして使われていた「行動キュー」を表にまとめてみました。

 行動キュー

 意味の一例

 耳の位置

 後ろに引いている→怯え・不安

 尾の高さと振り方

 高く速く振る→興奮 or 優位性(友好とは限らない)

 体の姿勢

 身を低くする→服従や恐怖

 目線

 じっと見つめる→威嚇、視線をそらす→非対立的

 動作の硬さ

 動きが止まる・固まる→警戒・不安のサイン

 口の形

 口角が下がる・歯を見せる→緊張・敵意

これらのキューをバラバラに見るのではなく、文脈と組み合わせて総合的に判断するのが重要です。


キューの分類:行動キューとホリスティックなキュー

Tami&Gallagher(2009)研究では提供されていませんが、関連する文献によれば、以下のようなキューの分類もあるようです。


  • 行動的キュー(Behavioral cues):耳の位置、尾の動き、体勢、視線など、観察可能な具体的動作。例:「尾を振っている」「耳が後ろに倒れている」など

  • ホリスティックなキュー(Holistic cues):観察者が犬の”感情”や”意図”を汲み取って捉えた全体的な印象。例:「遊びたい様子」「威厳をもっている」「友好的に感じた」など


Tami&Gallagher(2009)研究では、行動的な観察だけでなく、「この犬は何をしたいと思っているのか」というようなホリスティックな観察も見られていました。


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