犬の専門職に、学びとつながりを。
科学的知見と実践の架け橋となるーそれがPD-TENですー

PD-TENとは
PD-TEN(Professional Dog Trainers and Education Network)は、科学的根拠に基づいたドッグトレーニングの発展とアニマルウェルフェア(動物福祉)の認知向上を目的に、有志の専門職が集まり発足したプロジェクトチームです。犬の行動の意味やメカニズムが明らかになりつつある今、私たちは、犬の主体性と人との社会的関係性を重視したトレーニングの在り方──すなわち「Dog-Centered Training」──を中核的な理念としています。
PD-TENは、資格取得後に直面する「現場の悩み」に寄り添い、科学的知見に基づいた行動診療を実践につなげるための継続的な学びと支援を提供しています。
なぜPD-TENが必要なのか
多くの専門職が、資格を取得したあとに学びの機会を失い、現場で孤立しています。特に、問題行動を前にしたとき、実践に活かせる知識や支援の場が乏しい現状があります。
PD-TENは、そうした課題に向き合い、以下のような想いで活動しています:
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資格取得後の「学び直し」を支援したい
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科学的知見に基づいた対応力を高めたい
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孤立しがちな専門職の“つながり”を支えたい
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犬と人の関係をより豊かに育む力を届けたい
PD-TENの活動内容
PD-TENでは、以下の4つの柱で活動を展開しています:
1. 専門職向けセミナー

科学的行動診療に基づく講座を、対面・オンラインで実施しています。特に、ドッグビヘイビアリストや動物行動学のオピニオンリーダーによる基調講演、研究論文の解説、参加者とのディスカッションを含む「対話型カンファレンス」は中心的な取り組みです。これらは米国CCPDT(Certification Council for Professional Dog Trainers)に承認された教育プログラムであり、CPDT-KA等の資格更新に必要なCEU(Continuing Education Units)を取得することができます。
3. 飼い主向け教育・啓発

犬との暮らしに悩む飼い主に対し、行動の理解を深めるセミナーや資料を提供し、問題行動の予防・軽減を図ります。専門職と飼い主の“間”をつなぐ啓発活動です。
2. 継続支援と実務サポート

学びを“学びっぱなし”にせず、実務に落とし込むための支援を提供します 。ケース相談、オンデマンド教材、実例データベースなどを通じて、受講後の実務もフォローします。
4. ネットワークとコミュニティ形成

地域別の学習会や会員制コミュニティ、連携プロジェクトを通じて、専門職同士がつながり、学び合える場を創出しています。
このような方にご参加いただいています
実際の現場で、困難と向き合うすべての方々がPD-TENの対象です。
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犬の”噛む・吠える・引っ張る”などの行動に対し、対応に困っているトレーナー
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サロンで犬に触れられず、施術が困難な対応をしたトリマー
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問題行動の相談を受けたが、どう対応すべきか判断に悩む獣医療スタッフ

組織について
PD-TENは、法人格を持たない任意団体として、有志の専門職によって運営されています。実務経験に裏打ちされた専門的知見をもとに、行動診療の普及と実務支援を行っています。セミナーおよび教材の監修には、行動診療の専門家が関与しています。運営には、ルネジェンス合同会社 代表・伊藤かおると、日本ドッグビヘイビアリスト協会 理事長・田中雅織が中心的に関わっています。
今後の展望
学びが続くこと。孤立しないこと。そして何より、犬と人の関係がより良いものになること。PD-TENは、そのための”つながり”と”実践の場”をこれからも提供していきます。