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飼い主は“任せたい”のではなく“一緒に考えたい”

更新日:8月7日

カナダの1,614名調査が示す協働意思決定と声にならない気持ち

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飼い主は「任せたい」ではなく「一緒に考えたい」

犬のトレーニングや行動改善を提案する際、「この方法しかありません」と押し付けるような説明をしていませんか?実は飼い主の多くは、専門家に完全に任せたいのではなく、一緒に考えたいと感じているかもしれません。

今回は、そういうことを考えさせられる研究をご紹介します。

(これは、獣医師さんと飼い主さんの関係を調べたものですけどね...😅)


この研究では、カナダの1,600人以上のペットの飼い主に、診察時の会話の進め方についてアンケートを行いました。

「獣医師が全部決めてしまう」「飼い主に全部まかせる」「一緒に考えて決める」といったパターンを提示し、どれが好まれるかを調べたのです。

その結果、診察内容(予防・治療・緊急)に関わらず、飼い主は“獣医師と一緒に考えて決めたい”という答えを一番多く選びました。


つまり、多くの飼い主は「先生に任せきり」ではなく、一緒に選択肢を聞いて考えたいと感じているのです。


トレーニング現場にも当てはまる

この考え方は、犬のトレーニングや行動改善を提示する「ドッグトレーナーと飼い主の関係」にも通用するのではないかと考えます。

家庭で継続することが前提となるトレーニングプランは、飼い主が納得して実践できることが成功のカギです。「この方法しかない」と押し付けるのではなく、複数のアプローチを示し、飼い主のライフスタイルや価値観を反映させることで信頼関係と継続性が高まっていくのではないでしょうか。


日本文化と“声にならない気持ち”

ただし日本では、専門家への敬意や遠慮から、飼い主が疑問や不安を口に出さないことが少なくありません。「本当は難しいと感じている」「別の方法も気になる」…そんな気持ちがあっても表に出さないのです。

あなたもそんな時ありますよね?

だからこそ声にならない気持ちを汲み取る力が重要です。


汲み取るための工夫

  • 開かれた質問:「ここまでで気になる点はありますか?」ではなく、「やってみると難しそうに感じる部分はありますか?」と聞く

  • 安心感を与える言葉:「全部完璧にやらなくても大丈夫です。どの方法がご家庭でやりやすそうですか?」

  • 非言語のサイン:表情や沈黙、体の動きを観察し、不安を察知したらフォローする


まとめ 〜“協働”のスキルを高めるには

飼い主は“任せたい”のではなく“一緒に考えたい”。さらに日本では、声にならない気持ちを汲み取ることで、信頼関係が深まり、実践へのモチベーションも高まります。こうしたスキルを実践的に磨けるセミナーを8月28日に開催します。事例を交えながら“声にならない気持ちを拾う”対話のコツを深めませんか?


本セミナーは、CPDT-KA資格更新のCEU取得対象セミナーです。

注意)本セミナーは専門職の方を対象にしています。

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