インターネット情報の信頼性について調査した際に、検索結果に無駄吠え防止首輪と称するいわゆるEカラーの通販サイトが比較的上位にありました。どうしてこんな虐待じみた道具が使われるのかと思いましたが、米国のカリスマドッグトレーナーがこのEカラーを使って凶暴な犬を一瞬で大人しくさせていて、驚いたことがあります。
スコットランドでは、Eカラーの使用は法律的に禁止にされましたし、オランダのブリーダーは子犬をキチンと社会化させることが義務付けられているそうです。やっぱ進んでるなぁと思いながら、スコットランドのEカラー禁止についてググってる時に、一つのサイトを見つけました。
Robin Macfarlaneさんというアメリカのドッグトレーナーのようです。彼女のブログにEカラーについて取り上げたものがありました。
彼女は、あえて攻撃性の高い犬のトレーニングに、Eカラーを使って検証した論文を取り上げてました。簡単にその論文を説明すると「人に対して攻撃または攻撃の脅威を伴う犬」36頭にスタンド、ダウン、カムなどコマンドを習得させ、最終的に飼い主の元に戻せるようになるまで訓練したようです。
彼女は、訓練するためにEカラーを使用することを感情的に反対している風潮が、研究論文のパブリケーションバイアス(一般的に受け入れられないような結果になってしまった場合、公表することを控えてしまうこと)を生じさせている現状を危惧し、世間の考え方に合わないデータやアイデアを拒否、無視したり抑制することは危険だと述べています。
私も、個人的にはEカラーを使うことには懐疑的です。私自身使いこなせるとは思いません。しかし、Eカラーなんていいわけないじゃん!という先入観に囚われて、客観的に評価はしていませんでした。どちらかというと、Eカラーは不要だという論文ばかりを見て、Eカラーが禁止になったスコットランドの対応を感心してました。
Robinさんが運営するペット業界の専門家を継続教育するコースでは、Eカラーの指導も行っていおり、彼女はEカラー肯定派のようです。しかし、彼女は、自分の目線でしっかり調査し自分の意見を述べていました。もちろん、犬に不快な思いを与えるような行為は賛成できませんが、彼女のちょっとしたサイエンティスト並みの知識と姿勢に関心したのと、アメリカのドッグトレーナーの科学に対するリテラシーの高さにとにかく驚き、まだまだだなぁと反省したのでした。
ぜひ、興味があれば海外のドッグトレーナーのホームページを覗いてみてください。きっと、刺激を受けると思いますよ。
参考資料:
Your Dog 's Hero Robin Macfarlane https://robinmacfarlane.com/remote-collar-training-what-does-science-have-to-say/
Safety training: The elimination of avoidance-motivated aggression in dogs. Tortora, D. F. (1983). Safety training: The elimination of avoidance-motivated aggression in dogs. Journal of Experimental Psychology: General, 112(2), 176–214. https://doi.org/10.1037/0096-3445.112.2.176
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