犬の認知能力のデータ収集を市民科学者として貢献できるなんて羨ましすぎるの巻


PD-TENを立ち上げる前に、田中雅織先生と犬の学会のようなものを作りたいね、と話したことがあります。気楽に犬好き市民が集まって、犬について調査研究して、犬についての理解を深めるような場所があれば、きっと楽しいよねぇなんて話をしました。

今思えば、そんな会話がPD-TENを立ち上げる勇気になったような気がします。


そんなことを思い出すような、市民と共に行った研究をたまたま見つけましたのでご紹介します。


「あなたの犬は「天才」だ」の著者で米国デューク大学進化人類学の教授ブライアン・ヘア先生チームの研究です。ヘア先生は、人の認知能力の進化を研究するはずが、なぜか犬学者になってしまったという異色の方で、デューク大学内に、Duke Canine Cognition Centerを設立し、犬の認知能力についてたくさんの研究をおこなっています。


本研究は、市民科学者500名の自宅で同じゲームを行なってもらい、その結果と犬の認知能力と問題解決能力について調べた先行研究の結果とを比較するということを目的に行われました。

データは、ヘア先生によって開発されたDognition.comと呼ばれるWebsiteを通じて収集されました。


ゲームの内容はこうです。カップをふたつ用意します。少し離れたところに犬を座らせ、犬が見ている前で1つのカップにトリーツを仕込みます。その後、犬を目隠して、トリーツをもう片方のカップに入れ替えます。その後、犬を放しどちらのカップを選ぶかを見ます。そのゲーム内容は、YouTubeで公開されています。英語ですが、面白いので見てみてください。https://www.youtube.com/watch?v=toJZMfnc8ig


犬が食べ物の匂いを嗅ぐことができれば、正しいカップを選ぶことが出来たはずですが、ほとんどの犬が最後に食べ物を見た場所に行ってしまったようです。しかし、これらのゲームから、様々なデータ(e.g.あくび、アイコンタクトの数など)を収集し、先行研究の結果と比較しました。その結果、その市民科学者からの結果は、研究室で行った結果(先行研究)と自宅で行った結果と一致していました。


この研究で興味深いのは、臭覚にに対する記憶です。

多くの人は、犬の臭覚は特に優れているので、全てにおいて臭覚を優先して使うと思っています。しかし実際には、犬は問題を解決するときには臭覚以外の感覚をフルに使っているということだと思います。


ここでいう市民科学者は、犬の飼い主です。ヘア先生は、本研究の結果より、市民科学者からのデータの質は高く、今後の研究に役立つと述べています。


私は個人的にとてもうらやしい研究だと思いました。

犬の認知能力やコミュニケーション能力を明らかにする研究に、一般の飼い主が市民科学者として参加して貢献できる。なんて素敵なんでしょう!って思いませんか?


そんな話を一緒にしたい。それがPD-TENです。


参考資料:

Citizen science as a new tool in dog cognition research

L Stewart et al.PLoS One 2015 Sep 16;10(9):e0135176.

doi: 10.1371/journal.pone.0135176.eCollection 2015.


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