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早期死亡のリスクにさらされているのは、大型犬や短頭犬種?それとも小型犬や長頭犬種?

150種類以上、60万頭の英国の犬を調べた新たな研究がScentific Reportsに掲載された


犬の成長はとても早く、「人間の4〜7倍」なんて言われたりしてます。人の6歳は小学1年生のまだまだ小さなかお子ちゃまですが、犬の6歳は立派な成犬です。うちにきたときは、わちゃわちゃなパピーだったのに、今ではシニアの域になっているの我が家の愛犬。

パピーだった時に着ていた服やクレートを眺めて、うるうるしてしまったりするわけです。


そう、どんな犬だっていつかは虹の橋を渡る時は来るわけです。飼い主はその日を覚悟しないといけない。

この度、フレンチ・ブルドックはボーダー・テリアよりも何年も早くその日が来る可能性について明らかにした研究が、2024年2月発行の「Scientific Reports」に発表されました。


カーステン・マクミラン先生らの研究チームは、英国の犬の愛護慈善団体「Dogs Trust」やペット保険会社などから英国に生息する584,734頭の犬のデータセットを整備して分析を行いました。研究では犬を親系統(純血種、交雑種)、犬種(155種)、体型(大型、中型、小型)、性別(オス、メス)、頭格(短頭種、中頭種、長頭種)に分けて、さらに生存推定値を系統発生グレード間で分けました。


結果、研究者らは、大型犬や頭短種は、小型犬や頭長種よりも平均寿命が短いことを突きとめたわけですが、メスの犬は、オス犬より少しばかり長生きすることもわかりました。


全犬種の平均寿命(中央値)は12.5歳。犬種により、その値は大きく異なっていることがわかりました。

例えば、小型犬の牧羊犬ランカシャー・ヒーラーは平均寿命は15.4歳であったのに対して、大型犬の牧羊犬コーカシアンシェパードの平均寿命は5.4歳。

短頭種の平均寿命は11.2歳、中頭種は12.8歳、長頭種は12.1歳でした。


ミニチュア・ダックスフントやウイペットなどの小型で長頭種の平均寿命は13.3歳で、ボクサーやブル・マスティフのような大型犬で短頭種の平均寿命は10.7歳。小型の長頭種よりも3.4歳ほど短命であることがわかりました。


研究チームは、短い鼻が呼吸器系の疾患や熱中症、その他の健康問題を引き起こしている可能性について警告しています。


興味深いことに、純血種の平均寿命は12.7歳であったのに対して、交雑種は12.0歳で、これまでの研究とは異なる結果が示されました。研究チームは「交雑種は純血種よりも健康」という考えについて見直すよう求めています。



今回の研究を通して、体型と寿命には相関があることが裏付けられました。また、短頭種の健康と福祉に関する議論を拡大するものであること、また、犬の祖先の系統が犬の寿命と関連していることを示す一つのエビデンスでもあります。


あくまで英国の犬のデータではありますが、その傾向というのは、飼い主であれば知っておいた方がよさそうです。


最近のペットブームにより、「デザイナー交雑種」などの純血種の遺伝的特性を無視した異種交配が行われています。一方で、無秩序な交配は犬の健康上の利益を失うことになりかねないということもしっかり意識してほしいものです。



Kirsten M. McMillan, Jon Bielby, Carys L. Williams, et al. Scientific Reports, February 2024


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