犬の飼い主であれば、うちの犬は私の言葉を理解しているって思う瞬間があるでしょうし、そんなこと研究とかすること?と不思議に思うかもしれません。
でも、科学者は理論的にそれを証明することにとてもとても興味を持つわけです。
犬の言語に関する研究は、ハンガリーが多いような気がしてます。
2014年には、犬は飼い主のポジティブな言葉を理解していると言う研究が発表されました。
今回もハンガリーの研究です。
ハンガリーのエトヴェシュ・ロラン大学のマリアンナ・ボロス先生の研究チームは、犬は名詞の意味を理解できることを新たな研究(Current Biology 2024)で確認しました!
これまでにも犬の認知能力に関する研究はたくさん報告されています。
2011年には、3年間トレーニングしたボーダーコリーが800個の布製おもちゃ、116個のボール、26個のフリスビーを含む1000個以上の名詞を学習したと言う報告があります(Bevavioural Processes 2011)。
しかし、犬の脳が言葉を処理方法については、ほとんど研究がされていませんでした。
ボロス先生の研究チームは、18人の飼い主と愛犬に研究の協力依頼をお願いしました。その時に、愛犬がよく知っている5つの物品も一緒持ってきて欲しいと頼みました。飼い主は、ボール、スリッパ、フリスビー、ゴム製おもちゃなどを持ってきました。
実験室では、犬に非侵襲的脳波検査(EEG)を装着し、脳の活動状態を観察しました。
飼い主は、おもちゃの名前を犬に言ってから、正しいおもちゃを犬に見せるパターンと、おもちゃの名前を言ってから、正しくないおもちゃを犬に見せるパターンを何回か行いました。
例えばこんな感じです。
愛犬に見て!と声かけをした後に「ボール」と言ってから、「ボール」を犬に見せる
愛犬に見て!と声かけをした後に「フリスビー」と言ってから、「縄のおもちゃ」を見せる
飼い主が言った言葉と物体(おもちゃ)が違う場合、犬の脳波は、混乱している様子が見られたそうです。
同じことを人がやった場合も同じような脳波の痕跡が見られたそうで、ボロス先生は、犬も人と同じように言葉を理解していると言い切るには、もう少し研究が必要だけれども、この研究によって、人以外の動物も目的語知識の神経的証拠が示されたと述べています。
研究のビデオ要約(英語)が以下のリンクから見れます。
愛犬がボールっと言っても持ってこなかったりすることについてはどうなるの??と言う疑問は、ボールと行動を紐づけて覚えている場合には、もしかして「ボール」と言う言葉だけでは犬は気にしない/反応しないということかもしれませんね。
愛犬との絆づくりには、たくさんの優しくて、楽しそうな言葉が鍵になりそうですね。
それって、人との関係も一緒か💦
セミナーの資料の参考にします🙌